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渡辺 宏
化学工学, 54(9), p.656 - 657, 1990/09
水の放射線分解によって生成されるラジカルが、照射条件によってどのように変化し、細菌細胞と反応して、殺菌効果として現れるかということを、これまでの研究をまとめて概説した。また、これらの放射線生物学の基礎に立って、化学工学における新しい殺菌プロセスの開発の可能性について展望した。
渡辺 宏; 青木 章平; 佐藤 友太郎*
Agricultural and Biological Chemistry, 40(1), p.9 - 15, 1976/01
廃糖蜜中のビオチンを線によって効果的に失活させるために、先ず、ビオチンの失活に対する水の放射線分解生成物の相対的な関与について検討を行なった。各種ラジカルとイオンのG値当りの失活効率は中性溶液中でそれぞれOH=0.73、H=0.10、Eaq=0.02、O=0.64であった。OHラジカルがビオチンの失活に最も効果的であった。Eaqはビオチンの失活にはほとんど寄与しないが、酸素と反応してOイオンになると、ほぼOHに近い効率でビオチンを失活させることが明らかとなった。また分子状生成物のHやHOなどはビオチンの活性に全く影響を与えなかった。無酸素中性溶液中ではビオチンの失活は大部分OHラジカルによっており、失活のG値は2.08であるが、いっぽう、溶存酸素下ではOイオンの効果も大きく、そのG値は4.16となった。したがってビオチンを効率よく失活させるためには、酸素飽和、酸性溶液中で照射することが望ましい。
清水 三郎; 池添 康正; 佐藤 章一
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 48(3), p.1003 - 1005, 1975/03
被引用回数:3エタンーアンモニア系の線分解において、最大G値0.5でエチルアミン生成が観察された。ラジカル捕捉剤として酸素を用い、エチルアミンはイオン反応およびラジカル反応により生成することが明らかとなった。酸化窒素を過剰に添加した場合にはエチルアミン生成は抑制されたが適量の添加ではその収量は2.4倍に増加する現象を見出した。この増加は水素原子とアルキルラジカルによる、エチルラジカルが酸化窒素に捕捉されて生ずるアセトアルドキシムの還元に基づくものと解釈された。
佐伯 正克; 沼倉 研史*; 立川 圓造
Int.J.Appl.Radiat.Isot., 25(9), p.407 - 414, 1974/09
被引用回数:8無?体Iを含む硝酸溶液を加熱または線照射することにより、CHIを主生成物とする有機ヨウ素が生成する。COの炭素源としての可能性を同位体希釈法を用いて調べた。その結果および種々の炭素化合物の添加実験から、本実験系における有機ヨウ素の炭素源は、硝酸中に含まれる有機系高分子不純物であることが分った。さらに、蒸留精製した硝酸による実験結果およびHe気流中と、O気流中における結果の比較から、有機ヨウ素は、有機化合物の分解で生じた分裂片とI°とのラジカル反応で生成していると結論した。